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歯内療法(根管治療)で健康な歯を長持ちさせる

吉岡デンタルキュア吉岡 俊彦 院長

吉岡 俊彦 院長

よしおか・としひこ。
1981年広島市生まれ。
2007年東京医科歯科大学歯学部卒業、広島大学病院歯科研修医修了。
2012年東京医科歯科大学大学院歯髄生物学分野修了。
同大学歯学部付属病院医員などを経て、2016年より現職。
歯学博士。
日本歯科保存学会。
日本歯内療法学会(専門医・代議員・ガイドライン策定委員会委員)など。

歯の内部には、歯髄と呼ばれる軟組織があり、この部分に感染した細菌を取り除くことで歯の寿命を長持ちさせることができます。ところが、歯髄は人それぞれ数や形態が異なるため、細菌の除去や洗浄が徹底できない場合があります。そんな場合に頼れるのが、歯内療法の専門医です。ここでは、広島県初の歯内療法専門歯科医院を開院し、高精度な専門機器と深い知識で状態を正確に見極めて的確な診断・治療を行っている、吉岡デンタルキュアの吉岡俊彦院長に話を伺いました。

歯内療法(根管治療)とはどんなものですか?

歯の内部には、歯髄が入っている空間(歯髄腔)があります。歯髄とは、一般的にいうと「歯の神経」のことで、正確には歯の神経だけでなく、血管やリンパ管などのさまざまな細胞が存在する組織のことを指します。むし歯の進行や怪我などで、歯髄が細菌感染を起こした場合には取り除かなければなりません。歯髄腔の細菌感染を取り除き、歯髄腔が再び細菌感染することを防ぐ治療が歯内療法(根管治療)です。

歯内療法はどのような種類がありますか?

歯内療法(根管治療)は、大きく分けて4つあります。

①歯髄保存/歯髄を取らずに残すための治療
②抜髄/残すことが困難な歯髄を取り除く治療
③感染根管治療/細菌感染で壊死した歯髄を取り除く治療
④再根管治療/抜髄や感染根管治療を行った歯が、再び細菌感染を起こした際の細菌を取り除く治療(非外科的再治療/かぶせ物や土台を外して行う治療、外科的再治療/かぶせ物や土台を残して歯の根の先から行う治療)

なぜ、歯内療法(根管治療)が大切なのですか?

根管治療は、建物でいうと基礎工事の部分の治療を指します。歯の内部の歯髄腔が細菌感染をすると、根尖性歯周炎を起こして歯の周りの骨を溶かし、進行すると歯を抜かなければなりません。根管治療で細菌を除去して感染を防ぐことで、溶けた骨が再生し、歯や噛む力が残せます。目には見えない部分ですが、適切に治療を行うことで、歯を健康な状態で長持ちさせることができます。

神経を取る治療が必要な症状にはどんなものがありますか?

むし歯が歯のエナメル質や象牙質を通り越して歯髄腔まで進行すると、歯髄炎になります。歯髄炎の症状は、「冷たい物・熱い物・甘い物がしみる」「何もしなくてもズキズキ痛む」「ものを噛むと痛い」などがあります。視診やX線などで、むし歯の深さや状態を診査します。軽度な歯髄炎の場合は、健康な歯髄に戻ることもあるため、むし歯の処置などを行って経過を見る場合もあります。重度な歯髄炎の場合は、抜髄処置が必要となります。

歯ぐきが腫れています。どうすればいいでしょうか?

「何もしなくてもズキズキ痛む」「ものを噛むと痛い」「歯ぐきが痛い」「腫れている」「歯ぐきから膿が出ている」などは、根尖性歯周炎の症状です。その場合は、X線で歯の周りの骨の状態などを診査します。抗生剤などで急性症状を落ち着かせた後に、感染根管治療もしくは再根管治療が必要となります。あまり歯の根が残っていない場合や、歯が割れている場合には抜歯をお勧めすることもあります。

歯内療法(根管治療)の手順を教えてください

最初に歯や歯髄、歯の周りの組織の状態を診査します。その後、患者さんにその診査結果を基に、診断名や治療方法を提示して説明を行い、相談してからどのような治療を行うかを決めてもらいます。歯内療法(根管治療)を行う場合は、必要に応じて局所麻酔を行います。治療法は機械や器具などで細菌感染を取る方法(根管形成)、洗浄液で感染物質を洗い流す方法などの化学的に殺菌する方法(根管洗浄)があります。これらを併用して、治療する歯の歯髄腔の細菌感染を取り除きます。歯髄腔が十分きれいになったと判断した後に、歯髄腔を材料で充填(根管充填)して封鎖をします。

歯内療法の専門医とは?

歯内療法(根管治療)を特化して行う歯科医のことをいいます。国内での認知は低いものの、欧米では一般歯科医院が歯内療法の専門医に根管治療を依頼するスタイルが確立されています。根管治療が終われば、かかりつけ歯科医院に戻ります。歯内療法の専門医は高精度な専門機器と深い知識、技術を持つ専門家です。国内には、まだ東京、神奈川、大阪などに数軒しかありません。

歯内療法(根管治療)の治療機器について教えてください

マイクロスコープを用いることで、明るく拡大された状態で根管を探すことが可能になり、撮影した画像は治療後に見ることができます。また、歯科用のCTを用いることで3次元的に歯根の形が分かり、根管の数はほとんどの場合で把握できます。もちろん、CTの撮影には被曝を伴うので、必要最小限での撮影が望まれます。根管の長さにおいても、現在は電気的根管長測定器を用いてより正確に測定をしています。

歯内療法の専門医の使用器具はどんなものがありますか?

専門医は歯内療法(根管治療)をする歯に、まずラバーダム防湿(下記)を行います。また、細菌感染を機械的に取り除く根管形成には、歯を削る機械のタービン・エンジンや超音波振動による機械、細長いネジ状の器具(ファイル)などを使用します。感染物質を洗い流すなど、化学的に殺菌する「根管洗浄」には次亜塩素酸ナトリウムなどの洗浄液を使用します。これらを併用して歯髄腔の細菌感染を取り除きます。細菌感染を取り除いた後は、歯髄腔の形によって充填する材料や方法を変えて、緊密に充填して封鎖します。

ラバーダム防湿とは?

歯内療法(根管治療)は、歯髄腔の細菌感染除去を行う治療です。治療中もしくは治療期間中に、口腔常在菌が多くいる唾液が歯髄腔に入ってしまうことは避けなくてはなりません。そのため、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの歯内療法学会では、根管治療時のラバーダム防湿装着を義務付けています。歯に細菌が入るのを防ぐ以外にも、先端がとがった小さな器具(ファイル)などの誤飲誤嚥防止、洗浄液による粘膜の化学的火傷の防止、治療視野の確保(歯をしっかりと見られる状態)などにも役立っています。

歯内療法の専門医とかかりつけ歯科との連携について教えてください

歯内療法の専門医は、かかりつけ歯科医では治療が難しい状態の歯の歯内療法(根管治療)を行っています。かかりつけ歯科医から患者さんの紹介があった場合は、初診でまず十分な診査を行い、治療を希望される歯の診断を行います。次に、治療内容やリスク、予想される経過を詳細に説明して、患者さんの同意を得てから治療を開始します。治療は保険外診療です。そして、歯内療法(根管治療)終了後は、経過を確認して報告書を作成し、かかりつけ歯科医に提出します。補てつ処理やメンテナンス処置などの治療は、再びかかりつけ歯科医に戻ってから行います。治療費は状態により異なるため、気軽に問い合わせてください。

かかりつけ歯科医に通院している患者さんで、歯内療法の専門医の治療を希望される場合は現在の受診先に紹介希望を伝えてください。歯科医から紹介状(治療経過・レントゲン等)をいただけば、現状把握や診断の一助となり、根管治療後の、一般治療への連携もスムーズです。

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