乳がん 乳腺にできる悪性の腫瘍です。乳腺にはさまざまな構成成分があり、それぞれの成分からさまざまながんができます。例えば、ミルクを運ぶ管(乳管)にできるのが乳管がん(乳がんの中で最も多い)、ミルクを作るところ(小葉)にできるがんが小葉がんなどです。 症状は「しこり」「えくぼ(皮膚のへこみ)」「乳頭分泌(血液を混じる、赤、茶、黒など)」「乳首のただれ」等です。もちろん無症状の場合もあります。痛みを自覚し、心配する方も多いですが、乳がんは原則痛みはありません。ただし特殊なまれなタイプでは、痛むこともあります。 乳がんは進行すると、乳首が引っ張られたり引っ込んだり、皮膚がへこんだり(えくぼ徴候)、ただれてきたり皮膚が赤くなったり、むくみ(毛穴が目立つ)が出てきます。リンパ腺に転移すると、脇の下や鎖骨の上のリンパ腺が腫れたりすることがあります。 まれに乳房に自覚症状がなく、脇の下や鎖骨の上のリンパ腺の腫れで異常に気づくこともあります。肺や肝臓、骨などに転移をきたす、命にかかわることがある病気です。 世界的に、乳がんの患者さんは増加の一途をたどっています。日本も例外ではなく、1980年代から増加しはじめ、年間1万人程度だった患者さんは、現在では9万人を超すようになり、2022年の時点で、約9人に1人が一生に1回乳がんに罹るともいわれています。そのため、乳がんは女性のがんのなかで最も多いがんになりました。 日本人の乳がん発生の特徴は、30歳代から増え始め、40歳代後半と60歳代後半の2つのピークがあり、以後あまり減らない点です。つまり、女性である限り、乳がんに注意する必要があります。また乳がんで亡くなる方も、1975年には年間約3千人でしたが、2004年には約1万人に達し、増加傾向が続いています。現在では女性の壮年層(30~64歳)における、がん死亡原因の第1位となっています。 しかし乳がんは、早期に発見すれば治る可能性が高いがんの1つです。「恐ろしいから」「自分には関係ないから」と目をそらすのではなく、正しい知識を身につけて、自分自身を守りましょう。早期発見、早期治療が大切です。そのためにも、40歳以上になったら最低でも2年に1回のマンモグラフィ検診をお勧めします。
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