糖尿病網膜症 糖尿病網膜症は糖尿病の合併症で、腎症や神経症とともに三大合併症の一つです。 糖尿病では全身の血管障害が起きますが、網膜の血管も障害され、進行すると失明する可能性が大きくなります。厚生労働省の調査(2015年)では、視覚障害原因の第1位が緑内障、第2位が網膜色素変性症、第3位が糖尿病網膜症でした。糖尿病と診断されたら定期的に眼底検査を受けて、糖尿病網膜症の早期発見、早期治療が非常に大切です。 網膜血管障害の進行の程度で、①単純糖尿病網膜症、②増殖前糖尿病網膜症、③増殖糖尿病網膜症の3つの病期に分類されます。①単純糖尿病網膜症は初期の段階で、軽度の網膜出血や網膜白斑がみられ、血糖コントロールを厳格に行うことで改善もできますが、血糖コントロールが不良であれば②増殖前糖尿病網膜症へと進行します。 ②増殖前糖尿病網膜症は、網膜の毛細血管が閉塞して網膜が虚血状態になった状態です。③増殖糖尿病網膜症は、網膜の虚血状態が進行して、新生血管と呼ばれる非常にもろい血管が増殖した状態で、新生血管が破綻して硝子体出血や網膜剥離が起きて、放置すると失明する可能性が高くなります。 いずれの病期でも、網膜の中心部である黄斑部に黄斑浮腫が起きることがあり、黄斑浮腫が起きると視力低下をきたします。また、網膜虚血が広範囲であると血管新生緑内障になる場合があり、失明の危険性が非常に高くなります。治療は、血糖コントロールや血圧コントロールの内科的治療に加えて、眼科的には網膜光凝固術、硝子体手術、抗VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor:抗血管内皮増殖因子)薬硝子体注射を、病状に応じて行います。